急性の痛みと施術の不適応

2023, 2, 14

急性期の痛みに「もみほぐす」手技は不適当

痛みの寛解は、患者さんの関心事でしょう。当院は、痛みを主訴とする患者さんに多く来院いただいております。そのため、痛みや施術についてお話しする機会があります。けれども、正確にと思うあまり、小難しい治効理論の話を繰り返していることがあります。説明の技量不足を反省します。そこで、治療院での説明の補足として、施術中にお話している内容のいくつかを記します。

「痛い痛い」といって患部をもみほぐしますか?

からだには自然治癒力が内在しています。自然治癒力は、健康を保ったり病を治したりするだけでなく、そこに導く最良の方法を知っています。
初めてお電話をいただく、ぎっくり腰(急性腰痛)の患者さんのなかには、受傷直後に「痛みを和らげてほしい」とマッサージを希望される方がおいでになります。
当院では、受傷直後の痛みに対して、患部へのマッサージはいたしません。それは、炎症の強い急性期の痛みは、患部をもみほぐしても軽減されることがないからです。そればかりか、患部へのマッサージは症状を悪化させる危険があります。
たとえば「足首を捻挫したとき」など、どのような行動をとるでしょうか。 足首を捻った瞬間、患部を手でギュッと強く圧迫して、鋭敏な痛みを和らげようとするはずです。そして、患部を強くさすったり、固定したり、冷やしたりて痛覚を抑制するでしょう。こうして、痛みが治まってきたころをみて、反射的に硬くなった筋肉をもみほぐしながら、「あぁ~痛かった」と一息つくものです。
これらの行動は、すべて神経生理学に基づいた鎮痛のメカニズムにより説明がつきます。しかし、そのような難解な理論を知らずとも、「痛い、痛い」といいながら、炎症が強い患部をもみほぐす人はいないはずです。なぜなら、からだは痛みを和らげる方法を無意識にも知っているからです。

関節を動かす刺激は、痛みを抑制する

自然治癒力が導く無意識の行動には、症状を軽減して癒してゆく適切な施術へのヒントがあります。関節を運動操作する手技は、その無意識の行動に反するものではありません。むしろ、自然治癒力が導く動作を科学的に理解し、これを施術として応用する手技といえます。
自然治癒力が導く無意識の行動には、症状を軽減して癒してゆく適切な施術へのヒントがあります。痛みを和らげようとする無意識の動作には、「強く押さえる」「皮膚を擦る」「関節を動かす」があります。「痛い、痛い」といいながら、急性期の炎症が強い患部をもみほぐす人はいないはずです。

関節を動かすことは、自然な鎮痛行動

間違って指を挟んでしまったら、どのような行動をとるでしょうか。「痛たたたたっ!!」と手首を振りませんか。なぜ、手首を振るのでしょうか?それは、手首を振るという行為に鎮痛作用があるからです。
太い神経の働きは、細い神経の働きを抑制します。運動をつかさどる神経は、痛みを伝える神経よりも太く、伝達速度が速くなっています。そのため、運動神経が働くとき、痛覚神経の働きを抑制していきます。ゆえに、手首を振るという運動が、痛覚神経の働きを抑制して、痛みを和らげるのです。これが、ゲートコントロール説です。

・太い線維の活動性が細い線維よりも強ければ、ゲートは閉じて痛覚インパルスは抑制される

・細い線維の活動性が太い線維よりも強ければ、ゲートは開いて痛覚インパルスは増強される

難しい神経生理学に基づいた鎮痛メカニズムを知らなくても、自然に手首を振り、痛みを和らげようとします。カイロプラクティックは、手技により身体力学的な刺激(アジャストメント)を効果的に与えることで、このメカニズムを最大限に発揮させようとします。
「もみほぐす」マッサージと「関節を動かす」カイロプラクティックでは、刺激する神経に違いがあります。とくに慢性化した痛みには、積極的に関節への運動刺激を施すことで、良い効果が期待できます。
当院では、脊柱の責任高位を中心として運動刺激を施したのち、深部に隠れていたコリ感が表面に浮き出てきたとき、鍼療法やマッサージによる皮膚刺激・押圧刺激をおこなっています。


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