当院の紆余曲折

2023, 2, 14
Additions 2026, 1, 6

残り物には福があるということでしょうか、はたまた刷り込み効果(imprinting effect)でしょうか。鍼灸マッサージ師でありながら、最初に師事した整形外科医師の後について、脊柱を中心に関節を気持ちよく操作しながら鍼刺激を加えていく施術をおこなっています。

手技の基本はカイロプラクティック

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鍼灸マッサージ師の資格取得後は、中国にでも勉強に行こうかと思っていると天安門事件で挫折。では、教員養成課程にと受験するも「陰陽論や運気論など、東洋思想を学びたい」と面接で答え、教員になる気が全くないことが露見して不合格。卒業式を前に行くあてもなく、カイロプラクティックが大好き!という整形外科でお世話になりました。
豊橋市の鈴木整形外科院長 鈴木裕視医師は、股関節の人工関節の研究を通した重心線(姿勢バランス)への理解から、臨床のなかにカイロプラクティックを取り入れておられました。
また、上京してからは、鈴木先生と親交のあった菊栄一先生からカイロプラクティックのテクニックに関する手ほどきを受けました。さらに、塩川満章D.C.のガンステッドセミナーに参加したり、ハンズプラクティスカレッジ東京ではカイロプラクティック専科にて臨床総論・各論の講義を受け持たせていただいたりしました。
この時期に学んだ知識や技能が、当院がおこなう施術の基本となっています。

鈴木裕視先生の療法より

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手技療法をご指導いただきました鈴木先生は、カイロプラクティックだけでなく、鍼療法(主に円皮鍼)や操体法なども整形外科の臨床で活用されておられます。当院では、鈴木先生が提唱する力学的和痛手技療法・経皮物理的刺激療法を治効理論として取り入れています。
そして、当初は脊柱への操作・矯正(カイロプラクティック)を中心に、四肢からの運動操作(マニピュレーション)、鍼療法(円皮鍼)、マッサージを組み合わせたスタイルで、各人の病態やご希望に合わせて施術をプログラムいたしておりました。

30代、カイロプラクティックの名称に

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開業当初は、ご指導いただいた鈴木整形外科医師 鈴木裕視先生の教えもあり、カイロプラクティックという名称を使っていました。そして、鈴木先生の臨床からカイロプラクティックを中心として、操体法、鍼療法、マッサージを併用してきました。
ところが、スコット ハルディマンはマニピュレーションについて、「より早い敏速のテクニック」と定義する一方、「脊柱マニピュレーション(spinal manipulation)という言葉は、過去あいまいに使用された。多くの場合、筋や関節の治療に用いられるすべての手技テクニックを意味した」と指摘しています。
臨床経験を重ねるうち、おこなっている種々混合の療法と純粋(ストレート)な脊柱操作・矯正は、区別する方が適切なのではないかと考えるに至りました。

40代、手技を区分して

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マニピュレーションの定義を考慮して、より早い敏速のテクニックを「脊柱サブラクセイションに集中した操作・矯正」と「四肢の機能障害にまでひろげた操作・矯正」に区分しました。
そして、脊柱への敏速のテクニックを「カイロプラクティック」、ゆるやかな関節テクニックであるモビライゼーション・ストレッチを含めて「マニピュレーション」、筋肉などへの軟部組織テクニックを「マッサージ」として、施術コースをご用意していました(平成29年8月まで)。
また、高齢社会に対応できるよう、この頃から介護予防について学ぶようになりました。

50代となり、原点回帰!?

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鈴木先生は、常日ごろ「ゴチャゴチャと理屈をこねているうちは、理解に至っていないのだ」といっておられました。なるほど、「これはカイロプラクティック」「あれはマニピュレーション」「マッサージは別もの」と無理に細かく区別しようとしてきたのは、私の手技療法に対する理解が稚拙だったからかもしれません。50歳になった頃から、そのように感じられました。
そこで、鈴木先生の「関節を気持ちよく運動操作すると効果が高い」という施術の原点に回帰してみようと考えるに至りました。

まさかの転機に介護予防を学ぶ

田舎に暮らしておりました父が要介護となり、母が一人で世話をしていました。その父が亡くなり、今度は母が要介護となりました。そのようなこともあり、治療院での施術をお休みしながらも、大山の研究所にて介護予防を学んでおりました。
地域づくりによる介護予防では、人と人とのつながりが重視されます。それでは、人と人とをつなげているものは、何なのかという疑問が生じます。人と人とをつなげている本質は、人の愛情だといえば、否定されることはないでしょう。しかし、支援を受ける側の情が深いと、支援を行なう側の苦労をおもんばかって、支援を受け続けることが苦しくなります。また、支援を行なう側が情け深くても、支援を受ける側の苦悩をおもんばかり、苦しくても支援をやめることができなくなります。人の愛情(仁愛)とは難儀なものであるゆえ、申し訳ないと思う必要のない人間愛の道理を仏教の慈悲より考察してきました。

山あり谷あり崖もあり

母は施設に入所していましたが、新型コロナウイルス感染拡大を受けて、面会すらままならない状態が続きました。そこで、治療院を閉院して田舎に帰ろうと考えました。そして、ご来院いただいていた患者さんの施術を信頼ある先生方に引き継いでいただきました。
田舎に行ったり来たりしながら実家に帰る準備をしておりました。ところが、能登半島の地震があり実家が被災。しかも、私が右往左往している間に母が亡くなってしまいました。急いで田舎に帰る理由もなくなり、もう少し南池袋の治療院での業を営みたいと考え至りました。

60歳を前に、再出発

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父が要介護になったときも、いくらか治療院をお休みしていました。また、母が要介護になった際は、ご来院いただいていた患者さんの施術を信頼ある先生方に引き継いでいただきました。そこで、新たな気持ちで、新たな手技をもちいて治療院を再開したいと思います。

・これまでの手技は「瞬間的で振幅の短い矯正刺激を施す・アジャストメント」

・新たな手技は「ゆっくり大きく動かす関節の運動操作・モビライゼーション」

アジャストメントを主とする施術を適応する患者さんは、すでに信頼ある先生方に引き継いでいただきました。そこで、虚弱化した高齢者にも施していける、やさしい手技として、モビライゼーションに注目しました。また、モビライゼーションは、年々老いていく自分が末永く精進していける手技でもあります。これからは「関節を気持ちよく運動操作すると効果が高い」という鈴木先生の教えをもとに、「関節を大きくゆっくりと動かす」モビライゼーションを主とする施術を行なっていこうと考えています。

スコット ハルディマン:本間三郎.竹谷内宏明監訳(1994)カイロプラクティック総覧(2)エンタプライズ:p.624.

鈴木裕視(1975)重心線を記録した全身X線写真と重心動揺記録の併用による下肢機能評価の試み.醫科器械學雜誌.45(12): p.618-626.

鈴木裕視(1979)X線写真でみる歪の発現とその変化(1).操体法写真解説集.柏樹社.

鈴木裕視(1994)試論「操体カイロ」の和痛機序と症例.マニピュレーション症例報告集.エンタプライズ.

鈴木裕視(1995)力学的和痛手技療法の治効促進.日本人の体質劣化対策(3).東三河医学会誌.17; p.31-42.


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