感覚反応の抑制について興味深い研究が、国立研究開発法人
国立精神・神経医療研究センターより報告されています。感覚反応の抑制とは、たとえば熱いものを手で触ったとき、その手を無意識に振って「熱い」という感覚を和らげる行動のことです。この抑制は、自己の運動中に顕著であることが明らかとなっています。
他人に手のひらをくすぐられると、くすぐったく感じます。ところが、自分で手のひらをくすぐっても、余りくすぐったく感じません。また、自分でくすぐった場合でも、より早く、くすぐろうと皮膚を刺激するほど、くすぐったさが感じなくなります。
報告された研究は、運動中にすべての感覚が一様に抑制されるのではなく、皮膚感覚と筋感覚は全く異なるコントロールを受けているという新たな説を導いています。
くすぐるという行動にとって重要性の高い筋感覚は、自分の身体位置をモニターするために強調されます。その一方で、重要性の低い皮膚感覚は抑制され、くすぐったさが感じなくなるというのです。
「ほんがわ治療院は、どんな施術ですか?」と聞かれたとき、いつも「こんな施術」といって手首を強く振っています。手首を強く振ると痛みが和らぐように、関節をゆるめて可動性を増大させてあげれば、あなたの痛み・違和感は軽減されると思います~と。
ただし、やたらに関節を動かせば、組織を損傷させる危険があります。関節の機能改善を促す運動は、固着を整える方向、歪みを整える方向に施されるべきです。また、振幅が短く速度の速い関節操作(矯正)の方が、和痛作用も高くなります。さらに、できるだけ中枢から治療刺激を加える方が、効果は大きいでしょう。ゆえに、症状に関連する脊柱高位に、操運動刺激を施しているのです。
いえいえ! 自分でやる運動は感覚反応が抑制されるので、他人にやってもらう運動の方が治療刺激の効果が高いですよ。そういうわけで、どうぞ治療院に施術を受けに来てください~~といえるか検討中です。
facebook(2017-02-09)より転写・加筆
自分と他人の行動を識別する新たな神経機構を解明-運動中の『感覚ゲーティング』がになう新たな機能-.国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター.http://www.ncnp.go.jp/press/release.html?no=333,(参照日2018年7月3日)
Joachim Confais・Geehee Kim・Saeka Tomatsu・Tomohiko Takei and Kazuhiko Seki(2017)Nerve-specific input modulation to spinal neurons during a motor task in the monkey.Journal of Neuroscience. 37(10); p.2612-2626. https://www.dropbox.com/s/eqs110zzrgyx7e2/Joachim%202612.full.pdf?dl=0, (参照日2019年9月20日)