菊栄一先生を偲びながら、音楽家への施術を考えます


Health lounge

音楽家のジストニアについて、その1


2017-02-09


子供の頃より音楽の授業は、ずっと下を向いて時が過ぎるのを待っていました。私にとって音楽は、好き嫌いよりも、食べつけていないご馳走のようなものです。なんと、そんな私の治療院に、音楽家の方が来院いただくことがあります。

国内の職業演奏家が抱えている身体症状、治療方法と効果について調査した研究があります。それによれば、治療場所を選択した理由として、“すすめられた”“効果があると聞いた”が40%と最も多く、“通いやすい”“安価”などの物理的条件は7%であったといいます(齋藤・秋山,2006)。

菊栄一先生のおかげです

当治療院は、東京音楽大学の近所にありますが、来院された音楽家の多くは、施術効果があると紹介されてのようです。ただし、効果があるという期待は、私がカイロプラクティックをご指導いただいた菊栄一先生への信頼からくるものといえます。経歴は「+αの施術に、そして」を参照ください。

菊栄一先生の治療院は、大変に繁盛していました。そこは、完全予約完全紹介制という、まるで一見さんお断りのお茶屋さんのような治療院でした。敷居が高い分だけ、先生のスタッフ・施術者に対する指導は厳しいものがありました。

先生のようにはできませんが、精一杯の施術を

先生の治療院には、音楽家をはじめ、スポーツ選手など、身体の些細な好不調が成果に直結する職種の方々が数多く通院されていました。私は開業してより、菊先生とゆかりのある患者さんが来院されることが、とても嫌でした。先生と比較されても、先生のような施術はできません〜勘弁してくださいと、逃げ出したい思いは今でもあります。

ただ、菊先生の名前を汚さないよう、できる施術を精一杯おこなう以外はないのだと、自分を励まし慰めています。いまだ先生のようにキレのある施術はできません。その代わり、時間をかけて問診・検査をして、施術にあたるよう心掛けています。

とくに、ジストニアという病気など

カイロプラクティックのテクニックを伝授くださった菊栄一先生のところを離れ、自分の治療院を開いて20年以上が過ぎました。その間、先生から学んだ基本を守りながらも試行錯誤を繰り返すなか、ずいぶんと施術スタイルが変化してきました。また、医療技術も進歩しており、新しい施術方法が次々と研究・報告されています。

とくに、音楽家の局所性ジストニアという病気は、ご指導を受けていた頃は、一般には知られていなかったよう記憶しています。局所性ジストニアでは、「たとえばピアニストの場合、普段の日常の作業においては何ら変わったことが無いのに、ピアノを弾くときだけ指が言うことを聞かず、自分の意思とは違う鍵盤を押してしまう、または力のコントロールが利かなくなってしまう」不随意運動がみられます(中野,2015)。

これまでに施術した患者さんのなかで、「指が突っ張ってしまう」という訴えにジストニアが紛れていたのではないだろうか、どうすればよかったのかと思い返し、また菊先生を偲びながら音楽家への施術を、あれやこれやと思案します。生涯日々勉強といえば聞こえはいいのですが、よく分からないから勉強しているというのが実態かもしれません。


中野研也(2015)演奏家のジストニアの実践的対処法に関する考察:演奏者の視点から.仁愛大学研究紀要 人間生活部篇,7:p.117-125.

齋藤里果・秋山純和(2006)音楽家の身体症状とその対処法−音楽家へのアンケート結果より−.理学療法科学,21(4):p.447-451.



脊柱矯正・鍼療法

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