四十肩・五十肩

原因 症状の理解


Treatment description

可動域が大きく不安定な構造

肩関節は、上腕骨、肩甲骨、鎖骨によって構成されています。自由な動きを得るために、肩甲骨関節窩は小さく、上腕骨頭のはまりが浅くなっています。この不安定な構造は、関節包や腱板によって補強されています。

その結果として、関節包や腱板には、常に大きな負担がかかっています。加齢により組織が弱化すると、腕を急に捻ったり、重いものを持ち上げたり、押されたりして、簡単に損傷されます。

微小な損傷でも、障害された組織には炎症が生じます。この肩関節の炎症は、肩峰下の滑液包や関節周囲の筋肉にも広がっていきます。こうして肩関節に痛みがつくられ、可動域の制限がおこります。


五十肩をつくる経過

五十肩とは、40~50歳代以降におこる肩関節の疼痛と運動制限をきたす疾患です。肩関節の退行性変化と微小な外傷を基盤としています。

→ 肩関節を構成する軟骨、関節包、腱板では、加齢に伴う変性が徐々に生じます。変性により組織の弱化した肩関節は、日常生活において無理を繰り返すなかで、小さな損傷をつくっていきます。

→ 肩関節では、組織の変性と損傷が積み重なるなか、動きのぎこちなさ、可動域の減少がみられるようになります。そして、あるとき腕を急に捻る、重いものを持ち上げる、押されるなどの動作を引き金として、肩関節に炎症がつくられます。

→ 肩関節の炎症によって、激痛と可動域の制限がおこり、腕を上げたり後ろに回したりすることができなくなります。こうして、炎症を主体とする五十肩がつくられます。

→ 炎症性の痛みを引き金として、肩関節を動かせないでいると、やがて関節包の肥厚、腱の短縮、関節の癒着がおこり、関節が拘縮していきます。

→ 肩関節の拘縮により運動が制限されると、血液循環も阻害されます。すると、疲労物質や痛み物質が蓄積され、小さな刺激にも過敏に反応して緊張度を増していきます。緊張度が増すことで、さらに血液循環が悪くなり、組織の変性が助長されます。

→ 肩関節では、痛みの悪循環を形成しながら、次第に拘縮を強くしていきます。急性期の炎症が軽減していっても、五十肩の主体が、拘縮による疼痛と運動制限へと移行していきます。


三つの病期と症状

五十肩の症状は、肩関節の運動痛と運動制限といえます。重症化すると髪を洗う、髪をとかす、洗濯物を干す、つり革につかまる、洋服を着る、寝返りを打つなどが不自由になり、日常生活に支障をきたします。

症状の詳細は、急性期(疼痛期)、慢性期(拘縮期)、回復期に分けて特徴づけることができます。

急性期(疼痛期)

症状が増悪していく時期で、安静にしていても痛みがあります。とくに、肩関節の前方部に痛みが認められます。夜間の痛みが強いため、睡眠が妨げられることがあります。また、衣服の着替え、重いカバンなどを持つことが困難になります。わずかな刺激にも筋肉に異常な力が入り、肩の動きを制限して痛みが生じます。

・ 一般には、発症から2週間ほどです

・ 症状が増悪していく時期で、安静にしていても痛みがあります

・ 肩関節の動きを制限するように、運動時の強い痛みがあります

・ とくに、肩関節の前方部に痛みが認められます

・ 夜間の痛みが強いため、睡眠が妨げられることがあります

・ 衣服の着替え、重いカバンなどを持つことが困難になります

・ わずかな刺激にも筋肉に異常な力が入り、肩の動きを制限して痛みが生じます

・ 疼痛に対する筋性防御的な要素が強くなります

・ 徐々に関節拘縮が現れて、肩の可動域が制限されていきます

慢性期(拘縮期)

急性期の炎症が和らいでも、慢性化するなかで肩関節の拘縮が強くなります。肩関節の動きが全方向で制限され、可動域の限界に近づいたとき痛みが生じます。とくに、拘縮が進むにつれ、肩関節の後方部でも運動時痛や圧痛が生じ、髪を結ぶ、エプロンを後ろで結ぶような動作がつらくなります。

・ 急性期の後、約6ヵ月間とされます

・ 炎症による痛みが徐々に軽減されるなか、可動域の制限は残存します

・ 慢性化の過程で、関節包などの軟部組織が肥厚したり、癒着したりします

・ こうして拘縮が強くなると、肩関節の動きが全方向で制限されます

・ 動きが制限されることが、新たな疼痛の原因となります。

・ 可動域の限界に近づいたとき、痛みが生じます

・ 髪を結ぶ、エプロンを後ろで結ぶような動作がつらくなります

・ 拘縮が進むにつれ、肩関節の後方部でも運動時痛や圧痛が生じます

回復期

五十肩の大部分は数カ月~数年の間に自然回復するといわれます。肩関節の拘縮が徐々に改善するに伴い、疼痛も減少するとされます。しかし、罹病期間が長くなると、頸部や背部にまで症状が波及したり、肩関節に痛みや可動域の制限を残したりします。

・ 慢性期を経て回復期にいたります

・ 可動域の制限が残るものの、疼痛は減少します

・ 肩関節の拘縮が徐々に改善され、大きな機能障害は自覚されません

・ 可動域も自然に回復していきます

・ 罹病期間が長くなると、頸部や背部に症状が波及します

・ 肩関節にも、疼痛や可動域制限を残すことがあります


好発部位

五十肩として「上腕二頭筋長頭腱」「肩峰下腔」は障害を受けやすい部位です。

上腕二頭筋長頭腱

・ 上腕二頭筋腱炎は、肩関節前面に痛みをつくります

・ 力こぶをつくる上腕二頭筋には、長頭腱と短頭腱があります

・ その長頭腱は、肩関節のなかを通り、上腕骨の細い溝(結節間溝)を滑動しています

・ 長頭腱は、細い溝で刺激を受け続けることで、慢性的な炎症をつくったりします

・ さらに、組織が変性したり、溝に骨棘が形成されたりします

肩峰下腔

・ 肩関節のなかで肩腱板と肩峰下滑液包は、腕を上げる動作によって、はさみ撃ちにされます

・ このような運動が長年にわたり繰り返されることで、慢性炎症が生じます

・ とくに、棘上筋腱の慢性炎症、慢性峰下滑液包炎は、五十肩の大きな要因をつくります


肩甲上腕リズム

肩の構造は、肩甲骨、上腕骨、鎖骨からつくられています。体幹と上肢は、胸鎖関節、肩鎖関節、肩関節(肩甲上腕関節)、肩甲胸郭結合でつながっています。肩の動きは、この4つの関節が協調して働いています。

肩甲上腕リズムとは、上肢を挙上するとき付随して肩甲骨が回旋する連動現象のことです。上腕骨の動きに対して、肩甲骨の動きが2:1という一定の割合で動いています。

腕は180°上にあげることができます。このとき120°が肩関節の動き、60°が肩甲骨(胸鎖関節、肩鎖関節)の動きとなります。五十肩は、肩関節だけでなく、肩甲骨の動きにも注目するべきです。


注意すべき肩関節痛

五十肩は、腕を上げる途中は痛みがありません。これ以上は上がらないという最後の時点で激痛がおこります。肩関節におこる腱板断裂では、腕を上げる途中に痛みが生じることが多いとされます。

五十肩とは異なる痛みがある、あまりに痛みが長引いている、同じ側に繰り返して痛みが再発するときは、別の疾患が隠れているかもしれません。五十肩は自然に回復すると安易に考えてはいけない病気でもあります。




脊柱矯正・鍼療法

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