風呂でおこなう動作に治療のヒントがあります

なんらかの原因で痛みが生じて神経が刺激されると、防衛反応として筋肉は緊張して固くなります。そして、筋肉のコリがつくられると、血液循環が悪くなります。さらに、血液循環が悪くなり"痛みの悪循環"が形成されると、痛みが緩和されなくなります。そのため、急性期の炎症が和らぎ、慢性症状を呈してきたころから、「温めると気持ちいが良い」と感じるようになるでしょう。からだは、最良の治療方法を知っていて、無意識に実践しようとするものです。このように、慢性化した症状の緩和には、温めることが有効です。そのため、当治療院では温める器具として、遠赤外線灯、遠赤外線セラミックシート、マイクロ波治療器を活用しています。

たしかに、軽度のコリや痛みは、温めることで改善できるでしょう。しかし、慢性化した症状には、温めるだけでは癒されない場合があります。ところが、温泉に入って温まり、からだがリラックスすると、おこなう動作が3つあります。

1.からだが温まると、「あぁ~」という感嘆詞がでる

2.「ん~ッ、気持ちがいい~」 と手足を伸ばしたり背伸びをしたりする

3.「ふぅ~」と深呼吸して、ゆっくりと首を回したり体を動かしたりする

これらの動作には、慢性化した症状を緩和するヒントがあります。そして、治療院での施術は、この3つの動作を手技や物理的刺激を用いて、効率的におこなっているのです。

「あぁ~気持ちがいい」というリラックスした感覚があるとき、からだの治ろうとする働きは高まります。だから、気持ちの良い施術は、心身をリラックスさせるだけでなく、症状の改善も促すのです。ただし、温めてコリや痛みが和らいだとしても、からだの「 動く 」という機能を直接的に改善することには結びつきません。そのため、温まり動作が楽になると、次にストレッチをしたり、ゆるやかな運動をしたりしたくなります。

1.からだを温める(筋肉をゆるめる) … マッサージ

2.手足を伸ばしたり背伸びをしたりする … ストレッチ

3.首を回したり体を動かしたりする … マニピュレーション

からだには、治ろうとする働きをつかさどる自然治癒力が内在しています。カイロプラクテック・マニピュレーションといわれる手技は、この自然治癒の働きを促進する方法を、科学的に体系づけた療法といえます。

筋肉のコリをゆるめ、痛みを和らげて、からだの治癒力を促すことは大切です。しかし、「筋肉がコリ、痛みが生じる」のは、それが必要だからです。そのため、漫然と筋肉をゆるめ、痛みを和らげようと施術を繰り返しても、逆に病態を悪化させることになります。たとえば、腰痛のときは、コルセットで腰部を固定し、動きを制限して患部にかかる負荷を軽減することがあります。そして、筋肉を固くして動きを制限することは、防衛反応としてコルセットと同じ役割を果たしているのです。しかし、過剰な痛みがあるときは、防衛反応に終始して、治ろうとするメカニズムが余り働きません。そこで、適度に筋肉のコリをゆるめ、痛みを和らげながら治癒を促すのです。

施術とは、治すというよりも、自然治癒力が働き治りやすい環境を整えるものなのでしょう。そのため、施術後は、自然治癒力が働くための「時間と栄養」が必要になります。また、治癒を促すために関節の固着や筋肉のコリをゆるめることは、逆に、弱化した患部に負担をかけることにもなりかねません。そのため、ある程度の症状が緩和した後は、弱化した患部を強くする運動・エクササイズが必要になります。このように、適切な「施術+養生(治るための時間・栄養)+運動」の3つがそろってこそ、望ましい効果を得ることができます。とくに、加齢に伴う変形性関節症を基調とする肩コリ、腰痛、膝関節痛の改善には、運動=筋力強化が不可欠だと理解します。