胸郭出口症候群

原因 症状の理解


Treatment description

胸郭出口部での圧迫・牽引

前斜角筋、中斜角筋、第1肋骨上縁で囲まれた部位は、斜角筋隙といわれます。この隙間には、上肢につながる神経(腕神経叢)と血管(鎖骨下動脈・静脈)が通っています。

第5‐8頸神経と第1胸神経の一部は、集合して腕神経叢となります。また、下から上がってきた鎖骨下動脈は、Uターンをして腕神経叢と合して神経血管束をつくります。

胸郭出口部が狭くなることで、そこを通過する神経や血管が、以下のように圧迫や牽引といった刺激を持続的に受けています。

・ 胸郭出口部で圧迫され、機械的刺激を受けている

・ 胸郭出口部の遊びがなくなり、牽引刺激を受けている

・ 持続的に牽引され、伸長刺激に過敏になっている


問題をつくる筋肉と姿勢

胸郭出口部を通過する神経や血管は、「斜角筋」「鎖骨下筋」「小胸筋」につくられた過緊張、腫れ、瘢痕化、繊維化といった問題によって圧迫刺激を受けます。とくに、瘢痕化してこわばった斜角筋が、胸郭出口部を狭くします。さらに、肩甲帯の下垂した姿勢が関連して胸郭出口症候群が発症します。

斜角筋

腕神経叢と鎖骨下動脈が合した神経血管束は、前斜角筋と中斜角筋のなかを走行します。そのため、斜角筋からの圧迫刺激が増すと、胸郭出口症候群がおこります。

鎖骨下筋

斜角筋を通過した神経血管束は、鎖骨と第1肋骨のすき間に入ります。この肋鎖間隙では、鎖骨と肋骨だけでなく、斜角筋付着部や鎖骨下筋の緊張も圧迫刺激として加わります。鎖骨下筋の緊張、肥大、腱様化は、胸郭出口症候群の一因とされます。

小胸筋

肋鎖間隙をぬけた神経血管束は、小胸筋部を通過します。この際、小胸筋によって圧迫されると、胸郭出口症候群を呈します。とくに、上肢を外転したときに圧迫が強まり、症状が増悪します。


自律神経への悪影響

脊柱の両側には、交感神経節が集まった神経幹が走行しています。頸部には、上頸神経節、中頸神経節、星状神経節があります。星状神経節は、下頸神経節(C7‐T1)と胸部交感神経節(T1)が癒合したもので、第7頸椎横突起と第1胸椎横突起の高さにあります。

斜角筋は、第2頸椎から第6頸椎の横突起を起始として、第一および第二肋骨に停止しています。その位置から斜角筋による圧迫刺激は、星状神経節にも悪影響を与えます。

胸郭出口症候群が長期にわたると、自律神経の働きも乱されて、神経血管症状だけでなく多彩な随伴症状が現れるようになります。


起因となる外傷

胸郭出口症候群の多くは、頸部外傷により瘢痕化した斜角筋により生じるとされます。外傷には、事故による「一撃外傷型」のほか、日常生活や就労の負荷による「累積外傷型」があります。

一撃外傷型

交通事故による外傷を契機とした胸郭出口症候群は、少なくないとされます。肩甲胸郭関節は、動きが大きいため無理がかかり、加齢による組織の変性を助長します。

累積外傷型

日常における負荷の累積として、肥満、巨乳、加齢により肩甲帯が下垂することで発症します。肩甲帯が下垂した姿勢は、腕神経叢が持続的に牽引され、神経内の血液循環が障害されます。


頸椎症との関連

頸椎症になると、二次的に斜角筋にも過剰な緊張をつくります。そのため、頸椎症に続発して胸郭出口症候群を合併することがあります。


特徴的な症状

胸郭出口症候群の特徴として、以下の症状がみられます。

1.神経血管症状

2.自律神経症状

また、胸郭出口症候群は、「肩こりとの比較」として、頑固で多彩な症状が随伴する場合、胸郭出口部に問題があるかもしれません。また、「頸椎症性神経根症との比較」として、胸郭出口症候群と似たような症状が現れる反面、明確な違いもあります。

3.肩こりとの比較

4.頸椎症性神経根症との比較

1.神経血管症状

胸郭出口症候群は、上肢につながる神経と動脈(静脈)が同時に圧迫させています。そのため、次のような神経血管症状が現れます。

1)首肩のコリ、痛み

2)肩甲骨周囲のコリ、痛み

3)背中のハリ感

4)上肢の痛み

5)上肢のシビレ感

6)上肢のだるさ

7)手指の冷感

8)電車の吊革につかまるように、腕を上げた状態で症状が増悪する

9)買い物袋を手に下げるなど、腕が引っ張られた状態で症状が増悪する

2.自律神経症状

長期にわたり改善しないと、自律神経も障害されることがあります。すると、以下のように多彩な症状も現れるようになります。

1)頭痛

2)めまい

3)吐き気

4)不眠

5)全身倦怠感

6)胃腸障害

7)発汗異常等

3.肩こりとの比較

頑固な肩こりは、胸郭出口の障害によるものが少なくありません。次のような症状が複数重なる肩こりは、胸郭出口症候群かもしれません。

1)治療のあとしばらくの間は楽だけど、すぐに元に戻る

2)症状がなかなか改善しない

3)多くの領域にまたがる

4)肉体的には疲労しているわけでもないのに、倦怠感がある

5)頚椎症という診断を受けている

6)交通事故などの外傷あり(むち打ち損傷、鎖骨・肋骨骨折、筋や腕神経叢の損傷)

7)不良姿勢 (直頸椎、猫背、なで肩体型、いかり肩体型)

8)上肢および手指を酷使する職業

9)腕を上げたままの姿勢で仕事をする職業

4. 頸椎症性神経根症との比較

胸郭出口症候群は、障害される部位が神経根に近いことから、頸椎症性神経根症と類似した症状が現れます。ただし、以下のような違いもあります。

神経血管症状

頸椎症性神経根症の主症状が痛みに対して、胸郭出口症候群は倦怠感・シビレ感・手指の冷感が多くなります。それは、上肢につながる神経と血管が、同時に刺激を受けているからです。

性別

神経根症が中高年の男性に多く発症するが、胸郭出口症候群は20~30歳代の女性に好発する傾向にあります。

上肢の動きで増悪

胸郭出口症候群では、上肢の挙上位や外転位など、腕の動きで愁訴の誘発や増悪がみられます。けれども、神経根症と違って、頸椎の動きだけで症状の増悪をみることはありません。




脊柱矯正・鍼療法

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