腰部脊柱管狭窄症・施術方針

腰部脊柱管狭窄症とは

腰部脊柱管狭窄症は、加齢による骨組織・軟部組織の変化を基調として、複数の要因が重なって脊柱管が狭くなり、そこを通る神経根や馬尾神経への血液循環が阻害されることで発症します。神経の阻血による下肢の神経症状として、間歇跛行を発現します。

間欠性跛行とは、しばらく歩いていると両側もしくは片側の下肢全体に痛み、痺れ、知覚異常、脱力感、冷感などが生じて歩行が不能になり、少し休むと歩けるようになる症状のことです。詳細は「腰部脊柱管狭窄症・原因症状」を参照ください。


施術の方針

脊柱管の狭小化に関与する組織は、椎間板、後縦靭帯、椎弓、上・下関節突起、椎間関節などです。これらの組織の変性が、重なり合って発症します。そのなかには、可逆的な因子と不可逆的な因子があります。

・ 可逆的な因子には、炎症性の浮腫、関節機能の低下、非生理的な緊張、循環障害など

・ 不可逆的な因子には、骨棘、椎弓の肥厚、靱帯の肥厚、関節の肥厚、椎間板の膨隆、すべり症など

当治療院がおこなうマニピュレーション・矯正刺激は、脊柱管の狭小化という構造的な変化を、元の状態に戻すことを目指すものではありません。

保存療法を第一の選択として、可逆的な因子を改善することを基本とします。可逆的な因子を改善することで、ある程度の痛みの緩和を促すことができるかもしれません。

施術は、以下に注目してマニピュレーション・矯正刺激をおこないます。

1.椎間関節部の過緊張

2.脊柱管を広げる姿勢

ただし、一度に椎間関節部の過緊張をゆるめすぎると、不安定性が増して症状を増悪させる危険があります。腰椎すべり症への施術と同様に、脊柱管を広げる姿勢を目安としながら、腰椎カーブを減少させる方向へ牽引・操作を施していきます。


1.椎間関節部の過緊張

L3-L4を中心に、腰を丸めるようにして、静かにストレッチを持続しながら、最後にエンドフィールで軽くスラストを加えます。また、S3(仙骨の下方)にコンタクトして、仙骨底を起こして腰仙角が小さくなる方向にポンピングを繰り返します。

とくに神経根型の脊柱管狭窄症の場合は、椎間関節の機能改善を促します。椎間関節面に沿って脊柱管を広げる方向に運動操作を施します。これにより、

・ 血液循環が促され、滑膜の炎症、炎症に起因する浮腫が軽減される

・ 関節包や靭帯の非生理的な緊張が緩和される

・ 運動刺激により知覚神経の働きが抑制され、痛みに過敏な状態が軽減する

・ 椎間板にも良い治療刺激が与えられる

椎間関節への運動操作は、脊柱管を広げる姿勢を目安としています。ただし、この運動操作は、狭窄した構造を変えるものではありません。過剰な緊張状態を緩和し、慢性化した炎症を軽減することを目的とするものです。


2.脊柱管を広げる姿勢

脊柱管を広げる方向とは、腰椎カーブ(反り返り)を減らすことです。この腰椎カーブが減少した姿勢を学習させるように牽引操作・矯正刺激を施します。

前かがみで痛みがとれるのは、神経を圧迫している負荷が軽減されるためです。逆に腰を反らせる姿勢は、脊柱管狭窄症の症状を悪化させます。つまり、腰の反り返りを減らす方向が、症状を軽減するための治療刺激を施す方向となります。

ゆっくりと脊柱管を広げるように、下肢からマニピュレーションを施します。腰椎カーブを減らすように、仰臥位で両足首をもって下肢を拳上‐牽引します。さらに、左右から骨盤(上前腸骨棘)をゆすりながら、仙骨底を後屈する方向に運動刺激を施します。

脊柱管を広げる姿勢を目安にしたマニピュレーションは、構造的変化や骨性変化を改善するものではありません。過緊張の軽減と血液循環を促すように、可逆的な要因を改善することを目的としています。


効果の予測

高齢化の進行により、脊柱管狭窄症が増加しています。当治療院にも、病院で脊柱管狭窄症と診断を受けられた後、来院される方がおいでになります。

このとき、次の2つのことを説明して納得いただいたうえで、検査に基づき施術の適応を判断しております。

1.保存療法が第一選択

2.当治療院での適応と限界


1.保存療法が第一選択

脊柱管狭窄症は、不可逆的な骨性因子に加えて、可逆的な因子である炎症性の浮腫、関節機能の低下、非生理的な緊張、循環障害などが重なって発現する疾患です。そのため一般の医学的な理解でも、保存療法が第一選択とされています。


2.当治療院での適応と限界

神経根型の脊柱管狭窄症は、施術によって、ある程度の症状の緩和が期待できるかもしれません。ただし、その坐骨神経根症状が、下肢に強いシビレ感を伴うものなら、施術効果の持続は少ないでしょう。馬尾神経症状を呈するものは、骨性因子の関与が大きいため、施術による緩解は困難と理解します。

脊柱管狭窄症を発現する因子には、可逆的な因子と不可逆的な因子があります。可逆的な因子のなかには、治療院での施術により改善が見込めるものがあります。とくに、椎間関節部の過緊張をゆるめることは可能です。

脊柱管狭窄症は、医学的な見解からも、保存療法が第一選択とされています。ただし、脊柱管を狭窄する病態のすべてが、保存療法の適応とは限りません。その限界を心得ながら、慎重に施術の適応を鑑別しています。あきらめる前に、2か月ほど当治療院の施術を試してみてください。

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