変形性腰椎症・施術方針

変形性腰椎症とは

変形性腰椎症という病名は、レントゲン検査によって、腰椎に骨棘形成などの変化が認められるところから名付けられています。しかし、腰椎に骨変化が認められても、腰痛の唯一の原因にはなり難いといわれます。

年齢に伴う腰椎の退行性変化は、生理的な現象です。50歳代になると男性の90%、女性の80%に骨変化を認められたという報告があります。

変形性腰椎症は、椎間板の退行変性、椎体の骨棘形成、血液循環の低下、関節の不安定性に基づく靭帯の緊張、筋肉の疲労、関節包の肥厚、滑膜の炎症、浮腫など、さまざまな要因が複雑に加味されて腰痛を発症します。

加齢による腰椎および周辺組織の変性に起因する複合障害について、詳細は「変形性腰椎症・原因症状」を参照ください。


施術の方針

当治療院がおこなう脊柱へのマニピュレーション・矯正刺激を中心とする施術方法は、慢性化した椎間関節性腰痛の改善には適しています。同じように、加齢による椎間関節の退行性変化を基調とする変形性腰椎症にも有効といえます。

変形性腰椎症でみられる変化には、「可逆的な因子」「不可逆的な因子」があります。

・ 可逆的な因子には、神経根炎、関節機能の低下、過緊張、疲労、循環障害、浮腫など

・ 不可逆的な因子には、椎間板の変性、椎間関節の変性、椎体の骨棘形成など

骨棘や椎間腔の狭小のような不可逆的な因子が、単独で腰痛を発現しているなら、保存療法で痛みを緩解させることは不可能でしょう。しかし、中高年にみられる変形性腰椎症は、過緊張、循環障害、炎症、浮腫など可逆的な因子も重なり合って痛みをつくっています。

障害を受けた椎間関節、および周辺組織がつくる持続した過緊張が、血液循環を悪くして炎症を長引かせることで、痛みを慢性化させて、組織の変性も助長しています。

椎間関節の可動性が回復して動きが増大することで、血液循環が促進され、炎症の治癒と関節組織の修復が促されます。また、腰部が大きく動くことで運動神経が刺激され、知覚神経の働きを抑制して痛みが緩和します。

そこで、可逆的な因子を改善することを目的として、積極的にマニピュレーション・矯正刺激を施していきます。

1.下部腰椎の「椎間関節面」好発高位

2.協調して働いている「下部腰椎-仙腸関節面-股関節」


1.椎間関節面(好発高位)

変形性腰椎症において集中して痛みが現れるL5‐S1、L4‐L 5椎間関節を中心に、関節をゆるめるように、関節面に沿ったマニピュレーション操作を施しながら、椎間関節の機能回復を促します。

また、悪い姿勢が持続されると、椎間関節に負荷をかけて腰痛を増悪させます。とくに、L5‐S1がつくる角度(腰仙角)が大きくなると、腰椎の反り返りを深くするとともに、変形性腰椎症を悪化させます。

腰椎カーブの変化に注視して、姿勢を整える方向へ軽い矯正を繰り返して施します。

・ 腰椎の反り返りが強い姿勢(腰椎前弯増強)では、弯曲を減らすように仙骨底から起こす方向、腰椎を捻り出す方向に矯正刺激を施します。

・ 腰椎がまっすぐになった姿勢(腰椎前弯減少)では、後方から前方への瞬間的な矯正はひかえて、椎間関節面に沿ってポンピングするようにスラストを繰り返します。


2.下部腰椎-仙腸関節面-股関節

変形性腰椎症が好発する下部腰椎と協調して働いている仙腸関節面-股関節の機能回復を促すように、下肢からの運動・マニピュレーション操作を施します。とくに、仙腸関節に圧痛が認められる方、殿部から大腿外側にかけて痛みが放散する方には有効です。

そして、股関節の周辺には、感覚受容器が豊富にあります。矯正テーブルによる伸張刺激のほか、器具を用いた細かな振動刺激を施しながら、からだが正しい姿勢を再認識するよう促します。


効果の予測

変形性腰椎症は、椎間関節面だけでなく、協調して働いている下部腰椎-仙腸関節面-股関節にまで機能障害が広がっています。そのため、椎間関節性腰痛よりも長い継続した加療と養生が必要となります。

加齢による退行性変化を認める椎間関節は、単純にゆるめて、可動域をひろげるだけでは、関節の不安定性が増して侵害刺激が発せられ、痛みと緊張を増大させます。ある程度の機能改善がなされたら、筋力を強化して腰椎を保護するための運動・ホームエクササイズをご提案いたします。

骨性の変化が認められる病態のため、長期にわたる神経への圧迫症状がみられるときは、施術を加えても症状が残ることがあります。4回を目安に施術を継続するなかで、効果をみながら施術内容の組み合わせをしていきます。

脊柱矯正・鍼療法 ほんがわ治療院
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