寝違え(急性疼痛性頸部拘縮)・施術方針

寝違えとは

寝違えとは、頚部の筋肉につくられた急性炎症による激痛と、その痛みによる運動制限を総称するものです。急性疼痛性頚部拘縮、急性頚部筋々膜症ともいいます。詳細は「寝違え(急性疼痛性頸部拘縮)原因症状」を参照ください。


施術の方針

痙攣して異常に収縮した筋肉には、圧痛点やしこりがみられます。この反応部位に持続的な押圧刺激を加えて、痙攣と痛みを抑制します。そして、軽く牽引刺激をおこないながら過緊張の緩和を促します。痛みが軽減したころから、可動域の回復を促すように、ゆるやかな関節操作を施します。

施術は、痛みの抑制と可動域の回復を目的に、3つの手順でおこないます。

1.持続的な押圧(夾脊穴)

2.軽く牽引刺激

3.徐々に回旋,可動域の回復

刺激に過敏な状態なので、急激な刺激の入力はさけ、施術も短時間とします。また、迷走神経反射による脳貧血にも注意しながら、少しずつ治療刺激を施します。


1.持続的な押圧(夾脊穴)

痛みのあるとき、無意識にも患部を強く押さえているものです。この圧迫刺激を伝える神経の働きが、それよりも細い痛覚を伝える神経の働きを抑制するために、痛みが和らぐからです。

頸部の痛みは、脊髄神経後枝の興奮によって生じています。その圧痛点が、頚椎棘突起の際にあるツボ(夾脊穴)にみられます。とくに、C4‐C5(頸椎の中央)には、反応が現れやすいといわれます。

後枝痛を抑制するように、C4‐C5を中心に頚椎棘突起を擦るような押圧刺激を持続的に施します。


2.軽く牽引刺激

痙攣して収縮した筋肉を、さらに収縮させる動作は、頸部に激しい痛みを発生させます。そのため、防衛反応として無意識にも筋肉を収縮させないように、首を健側に少し傾ける姿勢をしているかもしれません。

頚椎の横突起とその数椎上の椎弓根を結んでいる小さな筋肉(回旋筋・多裂筋・半棘筋)が、寝違いを好発します。

痛みが少し和らげば、首を傾けている方向から、痙攣して収縮している筋肉に少しずつストレッチを施します。深部の小さな筋肉は、小さな運動操作でも大きく伸張され、良い効果が及ぼされます。

ストレッチをするとき、ツボ(夾脊穴)に押圧刺激を加えながら操作をおこない、ゆっくりと元に戻します。これを繰り返していくと、痙攣による過緊張がやわらぎ、痛みも軽減していきます。


3.徐々に回旋,可動域の回復

痙攣と痛みが緩和すれば、拘縮した頚部をゆるめるように、軽い揉捏(皮膚刺激)を頚椎全体に施します。そして、深部から可動域の制限を解放するように、関節面を開きながら伸張して、徐々に回旋を加えていきます。

痛みが軽減して可動域が回復したなら、次は予防の段階として、寝違えをつくる根本にある緊張度を癒すように、積極的に関節操作・矯正を施していきます。

頑固な肩こりが寝違えの下地にあるときは、筋肉をゆるめるような軟部組織操作(マッサージ)を加えながら、制限された関節可動域の回復を促します。


効果の予測

最初の施術は、痙攣・過緊張を抑制することを第一の目的としておこないます。振幅の短い瞬間的な矯正刺激は、痛みの経過をみながら徐々に加えていきます。

一般には、2回程度の施術で、およその痛みが軽減できるものと予想します。ただし、痛みが治まったころが半治りです

痛みが軽減して可動域が回復したなら、次は予防の段階として、寝違えをつくる根本にある原因を癒すように、積極的に関節操作・矯正を施していくことをお勧めします。


激痛への対応

寝違えによる激しい痛みのために、触れることもできないときは、上記のような施術方針は不適当と考えます。その場合、以下のように対応します。

1.鍼療法・テーピングの適応

2.急性の痛みにマッサージは、不適当


1.鍼療法・テーピングの適応

鍼療法は、とても痛みに過敏な状態で、運動操作・矯正が施し難いとき適応します。トリガーポイント、圧痛点、しこりに鍼刺激を加えて興奮性を抑制します。

円皮鍼は、脊髄神経後枝の興奮を抑制する目的で、頚椎棘突起の際(夾脊穴)に施します。また、寝違えのツボとされる「落枕」を円皮鍼で刺激することもあります。

キネシオテープは、寝違えの痛みが首肩から背中へと大きく広がっているときに適応します。刺激過多にならず、治療刺激に過敏な状態のときでも、効果は高いかもしれません。


2.急性の痛みにマッサージは、不適当

頑固で慢性化した肩こりがあるとき、マッサージを加えながら、制限された関節可動域の回復を促す運動操作をおこなうことがあります。

しかし、「痛い、痛い」といって炎症が激しい急性期に、痛みが強い患部をもみほぐす人はいません。詳細は「急性期の痛みに“もむ”は不適当です」を参照ください。

マッサージは、筋肉の痙攣や首の痛みが緩和したころを見計らって、かたく拘縮した筋肉をゆるめるように軽く施すものです。痛みが強い寝違えの発症時には、患部への直接的なマッサージは不適当といえます。

脊柱矯正・鍼療法 ほんがわ治療院
171-0022 東京都豊島区南池袋 2-13-10 キャッスル小林3階
03-3988-3467 完全予約制
momiryouzi@hkg.odn.ne.jp