いわゆる肩こり・施術方針

いわゆる肩こりとは

肩こりとは、首すじ、首のつけ根、肩、背中にかけて感じるコリ感、こわばり、不快感、重苦しい痛みといった症状を総称するものです。肩がこりすぎると、頭痛、吐き気を伴うこともあります。

何らかの原因で、過剰に緊張した状態が持続すると、首肩の筋肉を自分でリラックスしたり、緊張をゆるめたりすることができなくなります。この何らかの原因が特定されないとき、いわゆる肩こりといわれるのかもしれません。

他人が触れる筋肉のコリと、肩こりという自覚は一致しません。いわゆる肩こりとは、筋肉の過剰な緊張が持続した結果として、コリという刺激に対して、とても過敏になった状態といえます。

詳細について、頭痛を伴う肩こりは「緊張型頭痛」「片頭痛」「女性の頭痛」を、頭痛のない肩こりは「いわゆる肩こり・原因症状」を参照ください。


施術の方針

いわゆる肩こりは、明確な原因が見いだせないコリ感や痛みといえます。しかし、漠然とした施術では、良い効果を得ることはできません。

施術は、コリがつくられる部位より3つに分けて、緊張型頭痛・片頭痛・頸椎症・胸郭出口症候群・五十肩で用いる手技を応用し、各人の病態に合わせて適応します。

1.後頸部から肩上部のコリには、片頭痛・頸椎症への施術を

2.前頸部から鎖骨部のコリには、胸郭出口症候群への施術を

3.肩甲間部のコリには、片頭痛・回復期の五十肩への施術を


1.後頸部から肩上部のコリへの施術

僧帽筋を中心にして後頸部から肩上部のコリ感を癒すためには、片頭痛における首肩こりに関連する部位(C6‐T3)への操作・矯正と同様の方針で施術をおこないます。また、頸椎を動かしたとき痛みを感じたり、症状が増悪したりする肩こりには、頸椎症(変形性頸椎症)への施術を適応します。詳細は「片頭痛」「頸椎症」を参照ください。


2.前頸部から鎖骨部のコリへの施術

斜角筋に著明な圧痛があり、耳鳴り、めまい、倦怠感など、多彩な随伴症状がみられる肩こりには、胸郭出口症候群として操作・矯正刺激を施します。詳細は「胸郭出口症候群」を参照ください。


3.肩甲間部のコリへの施術

背部の圧迫感を軽減するような矯正刺激に加えて、鎖骨‐肩関節‐肩甲骨の協調した機能の回復をはかる関節操作を十分におこないます。その関節操作は、五十肩の回復期の手技と似ています。

肩こりの症状を癒すためには、背部の圧迫感を軽減する手技が有効な場合があります。肩甲骨の可動性を改善するだけでなく、ストレスの軽減が促されるのかもしれません。副腎に関連するT10は、ストレスや疲労の反応点とされます。詳細は「片頭痛」「五十肩」を参照ください。


施術ポイント

施術の方針のなかで、各手技に共通する施術ポイントは、以下の通りです。

1.責任高位としての「下部頸椎」

2.反応として現れた「トリガーポイント」です。


1.下部頸椎

脊椎のなかで頸椎は、重い頭を支えながら大きな可動域を担っているため、最も弱い部位といわれます。なかでも日常動作で負荷が大きく、椎間板や椎間関節に障害がおこりやすい下部頸椎は、肩こりをつくる原因部位となります。

頭部前傾姿勢(うつむく姿勢)は、日常動作による頸椎や筋肉への負担を増大して、肩こりを慢性化させます。頸椎の生理的なカーブが失われる要因として、うつむいている時間の長い生活スタイルが注目されています。

下部頸椎を中心(C6‐T3)に姿勢のバランスを整える方向に矯正刺激を施します。とくに上部僧帽筋、肩甲挙筋、斜角筋の緊張をゆるめ、固着した頸椎の可動性を促します。頸椎の機能改善をはかるだけでなく、感覚をつかさどる神経の緊張度を和らげて、痛みやコリ感の緩和も促します。


2.トリガーポイント

肩こりとして触れる“コリ”は、筋膜が変化したものという意見があります。筋膜が変化してコリがつくられた部位には、痛みに過敏となったトリガーポイントが形成されます。下部頸椎の歪み・固着を整える方向に矯正刺激を施した後は、トリガーポイントを目安に筋膜のシワを伸ばすような操作(筋膜リリース)を加えます。

頭部前傾姿勢は、伸張ストレスにより上部僧帽筋、肩甲挙筋、斜角筋にトリガーポイントを形成します。また、圧迫ストレスにより頸部の前面にある椎前筋(前頭直筋、頭長筋、頸長筋、外側頭直筋)、肩甲舌骨筋にトリガーポイントがつくられます。

頸椎の中央(C4‐C5)から、頸椎の正常なカーブをつくる方向に筋肉をストレッチします。このとき、頚椎棘突起あたりのトリガーポイントを目安に、後枝痛を緩和するように筋膜リリースを加えます。


効果の予測

慢性化してこじれた肩こりは、過剰な緊張の結果として血液循環が阻害され、コリや痛みをつくりながら緊張度を増していくという悪循環を形成しています。痛みの悪循環におちいった肩こりには、関節部の深いところからコリの根本を改善する操作・矯正刺激が有効と考えます。

ただし、頸椎の可動域が増大して神経の緊張度がやわらいでも、筋肉のコリがゆるむまでには、なお時間を要します。その時間差により、施術後に違和感が生じたり、もとの歪みの状態に戻ろうとしたりします。

一般に4回ほどの施術で、ある程度の効果が感じられるものと予想します。ただし、頸椎症や胸郭出口症候群など、明確な原因を認める肩こりは、症状が改善するまでには継続した加療を必要とします。それでも、施術効果は悪くはないという印象を持っています。

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